国産スポーツカーの中では圧倒的な知名度を誇るトヨタ・スープラ。
2002年に販売終了となってから、すでに15年以上の月日が経過しましたが、その人気は衰えを知らず、今もなお世界中で愛され続けています。
特に最終型(JZA80)のスープラは、全世界で大人気のカーアクション映画に何度も登場したということもあってか、中古車にプレミア価格がついてしまうほど。
非常に価値のある車の仲間入りを果たしてしまったので、もはや気軽に所有できる車ではありません。
さまざまなメディアでの活躍や熱狂的なファンの多さ。
大勢の人がスープラの後継車種を待ち望んでいることは、火を見るよりも明らかでした。
公式動画 ”S” Spirit
トヨタは2014年、86に次ぐ新たなスポーツカーの販売を計画し「FT-1 コンセプト」なるコンセプトモデルを発表。
それが、ジュネーブモーターショー2018で初公開された「GR スープラ・レーシングコンセプト」の原型となったマシンだと言われています。

スープラを復活させるために、トヨタは着々と計画を進行中です。
復活したスポーツフラッグシップ、スープラ




2018年3月に初公開されたGR スープラ・レーシングコンセプトは、あくまでレーシングカーのコンセプトモデルに過ぎません。
しかし、GR スープラ・レーシングコンセプトのベースとなった車両が新型スープラであることに変わりはなく、トヨタのスープラ復活計画は、すでに最終局面に入りつつあると言っても過言ではないのです。
86の上位モデルとして、トヨタのスポーツフラッグシップマシンとして君臨することになる新型スープラですが、実はトヨタの自社開発ではありません。
新型スープラの設計・開発を担当しているのは、ドイツの歴史あるブランド、BMWです。
共同開発と銘打ってはいますが、BMWが主導となって開発が進められています。




昨今のスポーツカー市場は縮小傾向にあり、いくら世界のトヨタと言えども、利益に貢献できないスポーツカーを一から新開発することは難しいです。
そこで高性能なマシンの設計・開発に定評のあるBMWに目を付けました。
かねてよりトヨタは、BMWの車体軽量化に関する技術やディーゼルエンジンに注目していたのです。
BMWもトヨタの次世代エコカー技術を共有したいと考えていたので、双方の利害が一致し、
長期的な業務提携の実現に至りました。
BMWは新型スープラを新型Z4(もしくはZ5)として、世に送り出すことが明らかになっています。
BMWのZシリーズと言えばオープンボディが特徴のマシンですが、新型スープラはクローズドボディです。
互いにプラットフォームやパワートレインを共有する姉妹車でありながら、その外観は全く異なるものに仕上がることが予想されています。
新型スープラのスペックを考察




パワフルではありますが、少なくとも軽量マシンではなかったスープラ。
軽快な動きはせず、サーキット走行では重いボディをパワーで振り回すといった印象があります。
搭載されている2JZ型エンジンは負担がかかるチューニングにも難なく耐えるので、改造前提のドラッグレースなどに用いられることが多いです。
新型スープラは、タフ&パワフルが取り柄だったこれまでのスープラと異なる路線で、開発が進行中だと考えられています。
GR スープラ・レーシングコンセプトが公表しているボディサイズから、新型スープラのキャラクターをわずかながら読み取ることができました。
全長は86とほぼ同程度ですが、全幅は1,800mmを確実に超えてきます。
GR スープラ・レーシングコンセプトの全高は1,230mmですが、新型スープラは1,300mm前後となるでしょう。
GR スープラ・レーシングコンセプトと比べ、新型スープラの全長・全幅は縮小、全高は高くなってしまいますが、市販化される以上は仕方ありません。
それでもロー&ワイドの美しいプロポーションが崩れることはないと思います。




最終型(JZA80)のスープラはGTカーでありながら、ショート・ホイールベースであることが
欠点だと指摘されてきました。
しかし、新型スープラのホイールベースはこれまでのスープラよりも圧倒的に短い2,470mm。
指摘され続けてきた欠点をむやみやたらに強化するほど、自動車メーカーはバカではありません。
新型スープラのショート・ホイールベースは、これまでのスープラから方向転換することを
示唆しているようにも感じます。
スープラの大きな特徴として、JZ型エンジンが挙げられます。
JZ型エンジンはトヨタを代表する名機で、スープラとJZ型エンジンは切っても切り離せない関係にあります。
しかし、新型スープラはBMWが開発を進めているので、2.0L直列4気筒ターボエンジンと3.0L直列6気筒ターボエンジンの2種類が、主力として設定される可能性が高いです。
もちろん、本命は3.0L直列6気筒ターボエンジン。
でも306psを発生するモンスターエンジンです。
3.0Lであること、直列6気筒であること、過給機が装着されていることなど、2JZ-GTE型(JZA80スープラのターボモデルに搭載されていたエンジン)に類似する点は多く、このエンジンならば熱狂的なファンも満足すること間違いありません。
また、信ぴょう性は高くありませんが、トヨタ製の2.5L直列4気筒ターボエンジンやレクサス製の3.5LV6ツインターボエンジンが搭載されるとの噂もあるようです。
新型スープラのトランスミッションについては、ゲトラグ(ドイツのトランスミッションメーカー)製7速DCTが採用される見込みです。
ZシリーズやMシリーズなどのスポーツモデルに、BMWは決まってDCTを採用しているので、
新型スープラに採用することも自然な流れだと言えます。
残念ですが、MTの設定はありません。
新型スープラはピュアスポーツとして進化を遂げる?




300psを優に超える高出力エンジンに、7速DCT。
スーパーカーのような凄まじいパワートレインを搭載することがほぼ確実視されている新型スープラ。
ワイドボディはともかく、これまでよりも明らかに短縮されたホイールベースは、スープラがGTからピュアスポーツへと生まれ変わることを意味しているのかもしれません。
圧倒的なスピードでコーナーを駆け抜ける、そんな新型スープラを見てみたい気もします。
GR スープラ・レーシングコンセプトが発表されただけで、未だ市販モデルの素性は一切不明です。
市販モデルの外観と内装、スペックの詳細など気になる点はまだまだあるので、続報に期待しましょう。
公式動画