追従式クルーズコントロールを使うと高速道路などで疲労が軽減されるので、多くの車種に装備されるようになりました。ただ、追従式クルーズコントロールを使いこなすためには、色々知っておきたい内容があるので、この記事で紹介します。
追従式クルーズコントロールとは?

クルーズコントロールという言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。
クルーズコントロールを使うと、高速道路などで走行する際に車速を一定に保持でき、アクセルペダルを操作する必要がなくなるので、ドライバーの疲労が軽減します。
例えば、高速道路にも上り坂や下り坂があり、知らず知らずに速度が上下してしまうことがあるので、クルーズコントロールを使うと一定速で走行することが可能です。
ただ、日本の高速道路は交通量が多いため、一定速で走ることは難しく、たとえ、クルーズコントロールをセットしても、他の自動車が減速してしまうと、すぐにキャンセルしなくてはならないことが多かったです。
クルーズコントロール自体は、昔から輸入車を中心に装着されていることが多かったのですが、国産車で装備する車種は限定されていました。
このため、追従式クルーズコントロールは、レーダーやカメラを使って前走車の動きを察知して、自動的に車速をコントロールし、前走車との距離を維持できるように進化しました。
例えば、高速道路を走行している時に追従式クルーズコントロールを100㎞/hにセットしてしまえば、前方に90㎞/hで走行する車に遭遇してしまったとしても、自動的に90㎞/hに車速をコントロールして走行してくれます。
前走車が車線変更などでいなくなったら、また自動的に100㎞/hに車速をコントロールして走行してくれます。
追従式クルーズコントロールは高級車を中心に展開されているというイメージですが、いわゆるコンパクトカークラスにも展開されつつあります。
追従式クルーズコントロールが設定されている主な車種は次の通りです。
トヨタでは、エスティマハイブリッドをはじめ、カムリ、プリウス、プリウスα、プリウスPHV、MIRAI、クラウン、マークX、アルファード、ヴェルファイア、エスティマ、ハリアー、ランドクルーザー、ランドクルーザープラドに設定されています。
レクサスでは、LSをはじめ、GS、IS、HS、CT、RX、RC、NXに設定されています。
ホンダでは、アコードハイブリッドをはじめ、ステップワゴン、オデッセイ、FCXクラリティ、レジェンド、ジェイドに設定されています。
日産では、エルグランド、シーマ、フーガハイブリッド、フーガ、スカイラインに設定されています。
マツダでは、アテンザの他、アクセラ、CX-5、CX-3に設定されています。
スバルでは、レヴォーグをはじめ、WRX S4、レガシィ B4、レガシィ アウトバック、インプレッサ スポーツ、インプレッサ G4、フォレスター、SUBARU XV、SUBARU XV ハイブリッドに設定されています。
三菱では、アウトランダー、アウトランダーPHEV、スズキでは、バレーノ、 エスクードに設定されています。
メルセデスベンツでは、A、B、CLA、GLA、C、E、CLS、GL、GLK、M、S、SLK、SL、Gに設定されています。
BMWでは、3、4、5、6、7、X5、X6、i3に設定されています。
VWでは、Polo、CrossPolo、Golf、Golf Variant、Passat Alltrack、Volkswagen CC、Touaregに設定されています。
ボルボでは、V40、V60、V70、V40crossCountry、XC60、XC70、S60、S80に設定されています。
追従式クルーズコントロールの使い方について




実際に追従式クルーズコントロールを使う方法を簡単に紹介します。
追従式クルーズコントロールのセット、キャンセル、車速、車間距離などといった設定は、ステアリングに装着されているスイッチの操作で行うことが多いです。
まずは、クルーズスイッチのボタンをオンにして、スタンバイモードにします。
スタンバイモードした後に、車速、車間距離のスイッチを操作して決めます。
この時、メーターの内部に車速や車間距離の表示が映し出されるので確認しながらスイッチを操作します。
セットが完了するとアクティブモードに移行しますが、インジケーターで知らせてくれるので安心です。
アクティブモードに入り、前走車を捉えると、追従が開始されます。
もし、前走車がいなくなっても、通常のクルーズコントロールとして機能し、継続し走行することができます。
数秒間、完全に停止したり、ブレーキペダルを操作したりすると、スタンバイモードに戻ります。
追従式クルーズコントロールを使う上での注意点について




追従式クルーズコントロールを使う上での注意点について紹介します。
・追従できる距離には限界があり、同じ車線を走行する車のみとなっている上、交通、走行、前走車の状態によっては、察知できる距離が短縮される場合があります。
・追従式クルーズコントロールを使わないのに、クルーズスイッチのボタンをオンにしたまま放置してしまうと、思わぬシーンでセットされてしまい、事故が発生してしまう可能性があります。
・前走車と自車の距離が短かったり、カーブが急だったりすると、追従して走行できないケースがあります。
・大きくハンドルを切ったり、D以外のセレクトレバーに入れたりした場合に、追従式クルーズコントロールをセットしても自動的に解除されてしまう場合があります。
追従式クルーズコントロールは次のような条件下では使用しないでください。
・セットした車速を超える可能があるので、急な下り坂や登り坂では使用しないでください。
・インターチェンジをはじめ、サービスエリア、パーキングエリア、ジャンクション、料金所などに進入する際は、前走車を察知できない場合があるので、使用しないでください。
・周辺を走っている車が巻き上げた水、雪、土埃、に加え、空気中に漂う砂、煙、水蒸気が前方向にある場合は、前走車を察知できなかったり、水蒸気や煙などを誤って前走車として察知する可能性があったりするので、使用しないでください。
・雪道や凍結路など路面が滑りやすい場合、車の制御を失う可能性があるので、使用しないでください。
一方、追従して走行して最中に、前走車が察知できなくなると、設定した車速まで加速することがあるので、ブレーキペダルを踏んだり、クルーズスイッチを押したりして対処してください。
停車している車や、極端に車速が低い車などの察知は遅れる可能性があり、ブレーキなどが作動しない場合があります。
まとめ




追従式クルーズコントロールについて紹介しました。近年、日本では、自動車の安全装備について注目されており、追従式クルーズコントロールを装備するモデルが増えています。
クルーズコントロールが日本の道路事情に合わせて進化を遂げた追従式クルーズコントロールは、設定できる速度域も広がり、渋滞に巻き込まれた場合でも威力を発揮します。
ただ、追従式クルーズコントロールは他の安全装備と同様に、あくまで運転をアシストする程度のシステムだと考え、依存することは危険です。あくまで運転手が安全運転を常に意識することが重要です。
この記事が、追従式クルーズコントロールを装備した車を購入しようとする人のお役に立てば幸いです。