今回はMAZDA ROADSTER (ND) (6MT)に試乗してきました。
世界中にファンがいるロードスター。
新しくなったロードスター(ND)の年次改良版をテストすることができました。年次改良でエンジン、乗り心地、足回りがブラッシュアップされていました。
ロードスターを目の当たりにしたとき、まず、コンパクトで低い車だなぁと感じました。
コンパクトであるのにも関わらず、とてもグラマラスなボディをしているのも特筆すべき点です。
曲面、曲線を上手く使い、存在感のあるボディライン、シルエットを生み出しています。
目次
スポーツカー定番のロングノーズショートデッキのスタイル
外観だけを見ると、確かに鼻が長く感じます。
しかし、今回のNDロードスターはロードスター史上一番短い全長になっています。
これだけ全長を短くしているのに、歴代ロードスターと比べても存在感は一番あるように感じるのは不思議でした。
スペックは
全長 : 3915mm
全幅 : 1735mm
全高 : 1245mm
ホイールベース : 2310mm
と非常にコンパクトなサイズです。
ドアをあけ、乗り込みます。全高も低いため、かなりかがまないと乗り込めないです。
スポーツカー独自の儀式を味わいながら、運転席に身を収めました。
柔らかすぎない、しっかりとしたシートクッション。
太もも、脇腹辺りはシートの形状でキュッとホールドされています。締めつけがキツすぎないところも特筆すべきところです。
着座位置も地面に近く、目線もかなり低いです。
ですが、短い全長と、長すぎないフロントオーバーハング、フロントフェンダーの膨らみにより、車両感覚は掴みやすかったです。
ピラーの長さが短いため、フロントガラスから見える前の視界は限られていますが、日常使いには問題はなく、慣れてしまえばどうってことはない程度です。
左右の視界はベルトラインの低さも影響し良好、後方視界も窓ガラスの範囲が広めのため見やすいです。
視界の問題点は斜め後方です。
オープンにしているときは視界を遮る物がないため、見やすいです。
ですが、クローズになっているときは、幌の影響で見える範囲がかなり狭くなります。
オープンカーであるため仕方ないことですが、ソフトトップオープンカーに乗るということは、こういった視界が一部良くない部分があるということをわかった上で乗らなければなりません。

インテリアは、最近のマツダらしく、上質な仕上げになっていました。
インパネは掃除がしやすいように、あえて、プラスチック部品を使っているところも、気遣いがあってありがたいポイントです。
お洒落だなと感じたのは、内側のベルトラインの部分です。
窓枠の部分がボディ同色仕上げになっているため、エクステリアだけでなく、室内にいるときにも、自分の車のボディカラーを楽しむことができます。
ステアリングは太すぎず、最近の車としては、細めでした。
このステアリングがまた操作しやすく、適度な重さがあるため、車を動かしているぞ!という感覚を伝えてくれます。
ウインカーは軽く操作すると3回点滅する機能付き。
手元で操作するスイッチ類は操作感覚が手からも伝わってくる作り。
世界一売れているオープンカー
今回試乗したモデルはMT車。ギアのシフトフィールは、スポッと吸い込まれるような感覚でした。
気持ちの良いシフト感覚は惚れます。
この気持ち良いシフトフィールを左手で味わうためだけにやたらとギアを変えたくなるくらいです。
忘れてはならないドライビングポジション。
これもマツダらしく、シートに身を収め、足を伸ばしたところに、それぞれのペダルが適所に配置されています。
ペダルが適所に配置されているため、クラッチとブレーキを同時操作する場面でも、右足と左足が当たることはありませんでした。
いざ、エンジンをかけるとブオンという元気なエンジン音を聞かせてくれます。こういった演出はドライバーをやる気にさせてくれます。




走り出してみると、軽いボディを1500cc直列4気筒自然吸気エンジンは軽々と動かしました。
改良が入りブラッシュアップされたエンジンは、気持ち良くよどみなく高回転まで回っていきます。
高回転まで回すためだけに1速で引っ張りたくなるほどです。
本当に気持ちの良いエンジンだと感じました。
オープンボディは剛性面が心配なところです。ガチガチのボディではないが、しっかりとしています。
歩道などの大きめの段差を越えるとき、たわむような感覚を感じるときはありますが、こわさはありません。
カーブもハイペースで曲がれば、たわみを感じることもあるとは思いますが、通常の運転であれば、何ら心配はいりません。
ロードスターという車のキャラクターを考えると、ボディが多少たわんでも、このたわみが楽しい感覚になります。
試乗の時、最初は幌を閉じていました。クローズ時も多少エンジン音が車内に入ってきます。
またシフトノブ、ステアリングにもエンジンの振動が伝わってきます。
振動は快適ではないが、不快なほどの振動ではありません。
イタリア車、フランス車のように音や振動はご愛嬌で済まされます。だって、ロードスターですから。
せっかくロードスターに乗っているのだから、幌を開けました。
幌は手動で開けるのですが、片手で後ろに収納できます。慣れてしまえばものの数秒で開閉可能。
この気軽さはロードスターのソフトトップでしか味わえない魅力です。




オープンになると開放感は抜群。
風、匂い、温度、音、景色を感じながら自然と一体になりつつ走るのは実に快感である。
こうなると、速く走ろうという気は不思議と一切起きません。逆に低速で走り、自然を楽しみながら走りたくなります。
自然を楽しみながらではあるものの、走りはスポーティ。走る楽しさも持ち合わせています。
信号待ちになり、1速へ戻そうとしたがなかなか入らないときがありました。なぜなら、シフトノブの下に押しながら左前に動かすと、バックギアに入るからです。
ロードスターのシフトは手首から先で軽く操作する方が良いでしょう。
MT免許とりたての初心者だと力ずくで操作してしまうこともあるでしょう。
力ずくだとなかなか1速に入らないため、初心者は注意が必要だと感じました。
坂道発進もヒルホールドシステムがあるため、サイドブレーキを引かなくても落ち着いて発進操作ができます。
軽量ボディであるため、平坦な道であればクラッチのみでも発進できます。
クラッチミートの感覚が、音や振動で伝わってくるのはこの車の良いところです。
軽量ボディ、フロントミッドシップ縦置きエンジン、低重心、音、振動、そして何よりオープンの開放感。
日本が世界に誇る名車
物理の法則に従い、運転そのものを楽しめる、自然を楽しめる車。それがロードスターでした。
夏はものすごく暑く、冬はものすごく寒いオープンカーですが、春や秋であれば、季節感を楽しみながら、自然との対話をも楽しむことができる車がオープンカーです。
購入は難しくても、レンタカーで、春や秋の季節を楽しんでみたらいかがでしょうか。